REVZO
2024年05月15日

成功する「ブランドコンセプト」から「ブランドの世界観」まで。ブランディング事例を詳しく解説!

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記事を書いた人

ブランディングディレクター

大規模商業施設やリゾートホテルをはじめ、企業やカフェなど幅広いジャンルの案件に対し多岐にわたりブランディングを推進。『脳みそから血が出るくらい考えているか』を常に自分に問いただしながら、クライアントさえ気づけていないブランドの進むべき道や可能性、デザイン表現をご提案できるよう日々挑戦中。

1. オフィスブランドの「ブランディング事例」を詳しく解説

私たちブランディングカンパニー「エフインク(F-INC.)」では、日々ブランディングに関するさまざまなご相談やお問い合わせを頂戴しておりますが、「ブランディングを推進したいけどどのように進めるのかわからない」などといった疑問の声をよく耳にしています。そこで今回は、プロジェクトスタートから「ブランドコンセプト」開発、「ブランド名」「ブランドロゴ」開発、「ブランドWEBサイト」や「パンフレット」、「施設サイン」など「ブランドの世界観構築」までを総合的にサポートした、日本土地建物さまの新たなオフィスブランド「REVZO(レヴゾ)」の「ブランディング事例」を詳しく解説します。

 

解決する課題や、向かうべき未来像などの違いにより、ブランドごとにプロセスや開発内容が同じことは一つもありませんが、少しでも多くの方にブランディングに関する具体的かつポジティブなイメージを持って頂ければ幸いです。

記事に関連する「ブランディング事例」のご紹介

エフインクWEBサイトにて、「ブランディング事例」を多数ご紹介しております。記事と合わせてぜひご覧下さい。

2. 開発の課題は他と異なる独自の「ブランド価値」を探ること

これまで、オープンイノベーションオフィス「SENQ」など、さまざまなワークプレイスを提供してきた「日本土地建物」。その知見や経験を活かし、働き方改革の進展に伴うワークスタイルの変化や IoT 技術の進展によりますます多様化が進むオフィスニーズに応えるべく、新たなオフィスブランドを立ち上げることとなりました。

 

しかし、オフィスニーズはあるものの、先行して展開している他のさまざまなオフィスブランドとの競争や、当時から取り沙汰されていたオフィス需給が崩れて供給過多になりかねない「2023年問題」など、厳しい状況の中でも「選ばれるブランド」となるべく、独自の「ブランド価値」を探り、ブランドとして構築していくことが大きな課題でした。

3. 「ブランドコンセプト」で「ブランド価値」を明確にする

課題を踏まえ、他にはない独自の「ブランド価値」を構築し、それらの「ブランド価値」を明確かつわかりやすくお客さまや社会に届けることで、他ブランドとの違いや差を明確に知っていただくこと。そして、複数店舗展開時にも、社内の方々がブレずに同じ価値を提供できるようにするためにも、誰もが同じ認識や理解をできるブランド構築がブランド成功のために必要だと考えました。そのために、まず行うことが「ブランドコンセプト」の開発です。

ブランドコンセプトとは?

ブランドが、お客さまや社会に対して「果たすべき使命」や「社会的責任」、「どのような価値を提供するのか」「得られるメリット」「ブランドにふさわしい言葉や表現」などをわかりやすく伝えていくために、ブランドが発する言葉や表現、プロモーションや展開など、すべてのブランド施策の核であり、指針となる「ブランド価値」や「ブランドらしさ」を言語化し、端的に表現したもの。

「ブランドコンセプト」は今後のブランド活動全ての指針であり、長期的にブランドの核となる非常に重要な要素のため、どのようなブランディングにおいても必ずプロジェクトの早い段階で開発します。

 

開発する際に最も大事なことは「ブランドオーナーの想い」と、お客さまや社会からの「ニーズや解決してほしい課題」の両方が十分に反映された上で、独自の「ブランド価値」として融合していることです。「ブランドオーナーの想い」が強すぎると、お客さまや社会から求められない独りよがりな状態に陥ってしまったり、逆にお客さまや社会からの「ニーズや解決してほしい課題」が強すぎる場合、他のブランドとの差がなく独自性のない状態になる場合があるため、様々な視点を交えながらしっかりと時間をかけ、何度も協議をしながら開発していきます。

4. 「ブランドコンセプト」を可視化し、社内外に伝える。

さまざまなプロセスを経て決定したブランドコンセプトは“「はたらく」を解き放つ”。従来の「働く」という枠組みにとらわれず、新たな「はたらく」のスタンダードを提供すべく、力強く明快なワードで表現しました。

 

しかし、ブランドの課題を踏まえるとブランドコンセプトをワード化しただけでは不十分で、ワードを受け取る方によって認識や理解の仕方に違いが出る可能性も十分にありました。もちろん、これらの懸念はどのブランドにも起こり得ることですが、特に今回は「他ブランドとの違いや差を明確に知っていただく」ことや「複数店舗展開時もブレない」ことに非常に重きをおいていましたので、“「はたらく」を解き放つ”とはどのようなことなのか?どうすれば実現できるのか?どのような価値を提供するのか?などを、誰もが同じレイヤーで受け取れ、認識や理解をもっと強力に促進させる必要があると考えました。

そのために「ブランドコンセプト」と並行して開発したのが、提供する6つの価値を定めた「ブランドバリュー」と、ブランドがオフィスワーカーや社会に約束する価値を表明した「ブランドプロミス」です。さらに、これらはコピーとして文字で可視化するとともに、その後の開発時にオリジナルのアイコンやイラストを併記してビジュアルとしても可視化することで、より直感的に理解いただけるようにしました。

5. 自然と繋がるDelightfulなオフィス建築

「ブランドコンセプト」決定後、オフィスとして最も重要なオフィス建築のフェーズへ入ります。我々は「ブランドコンセプトに相応しい建築とは何か?」という視点から建築家の選定をサポートさせていただきました。

最終的に決定した建築には、「いきいき活躍する人の姿や企業の活気が、街にあふれだす。そんな、はたらく人を引き立てる“額縁”のような存在でありたい」という想いが込められており、共用部には、はたらくモチベーションは、生産性を左右する大切なポイントとして、感性を刺激する演出や人との交流を促すコワーキングスペースなど、賃室以外にもはたらく喜びに出会える多彩な空間が用意されております。

6. 「ブランド名」と「ブランドロゴ」でブランド価値を表現

「ブランドコンセプト」や「建築」により「ブランド価値」がより明確になった段階で、「ブランド名」と「ブランドロゴ」の開発がスタートします。ブランド名やブランドロゴを開発する際は、他社の名称調査をはじめ、商標的に問題ないか、その後の展開で必要な要素とは何か、どこにどのように使用するか、など幅広い視点とその後の展開性を十分に協議した上で、開発をスタートさせます。

 

これにより、決定プロセスでのコミュニケーションエラーや、ブランド公開後の不測の事態を限りなく少なくします。このプロセスで注意するべき視点や要素を簡単に図にまとめましたので、合わせてご覧ください。

前述のプロセスを経て、最終的に決定した「ブランド名」と「ブランドロゴ」が、「REVZO(レヴゾ)」です。「人と企業のはたらき方を変革< REVOLUTION>し、成長を加速する新拠点<ZONE>」という意味で、これまでの概念やルールから解き放たれ、オフィスワーカーひとりひとりが個性や能力を発揮して主役となり、企業の成長が加速していく、そんな先進的なオフィス空間を提供したいという想いを込めています。

7. 「はたらく」を解き放つオフィスブランドの世界観構築

「ブランドコンセプト」や「ブランド名称」「ブランドロゴ」を開発することは、ブランディングにとって序章にすぎません。

 

魅力的なデザインやイラスト、写真などから構成される「ブランドの世界観」とともに、お客さまや社会にブランドが伝わってはじめて、ブランドは社会やお客さまとの関係性を構築します。その際に重要なことは一貫した「ブランドコミュニケーション」により、「ブランド価値」を正しく伝え続けること。

 

一貫した「ブランドの世界観」を構築することで、それぞれの細かな「点」としての要素が集合し、「面」として大きな力を持つようになるため、他との差を明確にするとともに独自の「ブランド価値」として、お客さまや社会から認識してもらえるようになるためです。そのためにも、WEBサイトやパンフレット、ムービーなど、ブランドの課題や表現に適した媒体選びからブランドらしい表現の構築までが非常に重要になります。

ブランドキービジュアル

ブランドWEBサイト

ブランドパンフレット

施設サイン・ピクトグラム

今回は「ブランドコンセプト」を表現するため、写真ではなくあえて抽象的な3DCGのイラストやアニメーションをブランドの「キービジュアル」として採用しました。他のオフィスブランドは建物の写真をメインにした表現が多いため、それらとの明確な差を生み出すという理由に加え、自分に置き換えていただき想像できる余白を残しておくことで、オフィスワーカーの創造力を刺激することを狙っております。開発した「キービジュアル」は、WEBサイトをはじめコンセプトブックや販促ツールなどさまざまな媒体で展開されております。

8. オフィスワーカーとともに進化し続けるオフィスブランドへ

第 1 号物件「REVZO(レブゾ)虎ノ門」が多くのオフィスワーカーに支持され、また、「REVZO(レブゾ)」シリーズの第一号物件「REVZO 虎ノ門」が、2021 年度のグッドデザイン賞を受賞。さらには、受賞対象の中で、審査委員会により特に高い評価を得た「グッドデザイン・ベスト 100」に選出されております。

 

また、2024年現在で「REVZO(レブゾ)日本橋堀留町」「REVZO(レブゾ)一番町」「REVZO(レブゾ) 麹町」と、すでに4物件を展開しており、ただ同じフォーマットで展開するのではなく、ブランドコンセプトを核に、その土地の特性やニーズ、好評だった設備などを検証し反映していく。まさに「オフィスワーカーとともに進化し続けるオフィスブランド」として選ばれ続けています。

しかし、このようなブランドの成長に伴い陥りやすいのが「ブランドを管理しきれなくなる」ことです。

 

ブランドが成長すればするほど、ブランドに携わる関係者の数やブランドに関連するアイテムや広報ツールなどの数も増大します。スピード感も求められるため、ついブランドの要素を雑に扱ってしまったり、ブランドへの理解ができていない方が意図しない使用をするなど、さまざまな要因で少しずつブランドを管理しきれなくなり、しまいには正しく「ブランド価値」を伝えきれなくなり、「選ばれない」ブランドへとなってしまいます。そのような事態を防ぐために非常に重要になるツールが「ブランドガイドライン(ブランドデザインマニュアル)」です。

 

近年では、お客さまをはじめとする社会とのタッチポイントや表現媒体・手法が以前に比べ格段に増加したことや、他のブランドとの違いを明確にするためにも、ブランドならではの世界観や体験を、あらゆるシチュエーションで統一感をもって提供することが重要視されるようになってから、「ブランドガイドライン」を多くの企業が採用するようになりました。詳しくは、別の記事にまとめておりますので、ブランディングの際は「ブランドガイドライン」を活用し、長期的に「選ばれ続けるブランド」を目指してください。

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