ブランディングの進め方はさまざまですが、特にワークショップは社内の求心力を高める上で非常に効果的です。
今回は、ワークショップの実施方法や効果について説明します。
ブランディングをひもとくメディア
大学卒業後、不動産会社勤務を経て2018年エフインク入社。プロジェクトでは主に企画設計・コンセプト開発・コピーライティング・進行管理などを担当。ブランドの想いをお客さまとともに紐解き、可視化し、社会へと届けることがなによりの喜び。
ブランディングの進め方はさまざまですが、特にワークショップは社内の求心力を高める上で非常に効果的です。
今回は、ワークショップの実施方法や効果について説明します。
ワークショップの実施で得られる大きな効果として、社内へのブランド価値の浸透が挙げられます。
社内の職域を超えてフラットに議論を交わすことでブランドとして目指すべき方向性がチームで共有できると、社内スタッフの自主性を育むことにもつながり、長期的にブランドを育んでいく上でかけがえのない価値となります。また、ワークショップに参加した方がブランド全体を引っ張っていく存在になることはめずらしくありません。
一方で、ワークショップでは多数の意見を汲み取ることにより、ブランドコンセプトに個性がない(強みがわかりづらい)結果になってしまう可能性もあります。多くの意見は汲み取りながらも、目指すゴールを意識して、適切なタイミングで方向性を集約し、ブランドとして目指す姿を明確に描くことが重要です。
ワークショップでは個々の意見を素直に発言できる環境づくりが重要です。
ポジティブな雰囲気の中、ブランドの明るい未来について積極的に意見を出し合える時間は、ブランドにとっても、組織にとっても、大変貴重なものとなります。そのため、より忌憚のない意見のやりとりができるよう、社内の人間関係や立場などの意識から離れるためにも、外部のファシリテーターを採用することをおすすめします。
ワークショップ中は、批判のみの意見を出すのではなく、より良くなる意見を積極的に出せるように心がけましょう。また、ワークショップにトップ(社長やリーダーなど)が参加する場合は、参加者の方々が意見を言いやすい雰囲気を作れるように心がけましょう。
ワークショップはトップダウン型のブランディングの進め方よりも、時間と人的コストがかかります。
ブランディングの内容によりますが、ワークショップは短くても3ヶ月程の期間、2週間に1回程度の実施で全6回以上の開催が必要になると考えておきましょう。プロジェクトによっては半年以上かかる場合もあります。また、ワークショップでは大体6〜12名程度が参加、1回の開催で3時間ほどかかる場合が多く、参加者の負担となる時間が長いため、余裕を持って進行していくことが大切です。
想定以上に議論が盛り上がったり、逆になかなか意見が集まらなかったりして成果物にたどり着けなくなる可能性もあるため、ワークショップを導くファシリテーターがしっかりと司会進行をしていきましょう。
推進の一般的な流れとしては、ワークショップで意見を募り、ファシリテーターがまとめ、次回のワークショップで共有、ディスカッションに活かしていきます。
次のケーススタディで具体的な流れを見てみましょう。
私たちが、企業の「ブランドコンセプト」と「ネーミング(名称)」の開発をワークショプで推進した事例を紹介します。以下のように全6回(1回3時間程度)の中でテーマを設定し、議論を進めていきました。
ブランド価値の重要性とワークショプを開催する意味の共有
・ブランドとはなにか?の基礎講義
・ワークショップのルールの確認
・強み・弱みの抽出
企業独自の強みの明確化と目指すべきブランド像の把握
・強み・弱みから導き出す現状分析
・目指すべきブランドイメージの抽出
・ブランドに関わるステークホルダーの棚卸し
新ブランドの提供価値(社会における役割)の明確化
・3年後のお客様像の把握
・3年後に新しく提供できている価値の可能性
・新ブランドの社会に対する役割(社会・世界がどのように変化するのか)
ブランドコンセプトの策定
・ブランドコンセプトの方向性の提示(ファシリテーターから)
・協議の上、ブランドコンセプトの決定
ブランドコンセプトをもとにした、ネーミング案の提案
・参加メンバーによるネーミングのプレゼンテーション
・ネーミング案の提示(ファシリテーターから)
ネーミングの決定
・ブランド名称の決定
上記の推進内容はあくまで参考です。ブランドごとの特性に合わせて、観点を明確化しテーマを設定していきましょう。
30年・300プロジェクト以上の豊富な
経験から培ったブランディングの進め方や、
詳細なCASE STUDYを
ご紹介しています。
「ブランディング」とはなんだろう?
知られていない魅力を伝えるための活動、
あるいは、見据える未来像をはっきりさせる作業。
携わる人たちが持つ技術やプロジェクトにかける思いが、
アウトプットへと結集していきます。
一言では説明できないからこそ、
そのプロセスは普段語られる機会があまりありません。
アウトプットが物語ることの素晴らしさを大切にしながらも、
「ブランディング」が持つ多様な側面を伝えたい。
FuFuFu Laboは、プロジェクトの背景とブランディングの
基礎知識の両面から、ブランディングをひもとくメディアです。