NS TOOL/日進工具日進工具株式会社
ブランディング領域
施策・制作物
リブランディング / 企業理念・パーパス / ブランドコンセプト / ブランドネーミング / ブランドシンボル・ロゴ / WEB・ECサイト / 名刺・封筒・ツール / ブランドブック・パンフレット / パッケージ・プロダクト / プロモーション・広告 / ブランドイメージ・写真撮影 / ブランドムービー・映像 / イラストレーション / 施設サイン / 展示会・イベント
ブランディング領域
施策・制作物
「超硬小径エンドミル」という一般には聞き慣れないニッチな工具の製造・販売でトップシェアを誇る日進工具。刃先径6mm以下の切削工具で、医療機器や自動車などに使われる精密な部品や金型を削り出すのには欠かせない存在です。
エフインクは、2017年の東証二部上場に向けたブランディングプロジェクトとしてプロジェクトに参画。ブランドコンセプトの立案から、デザインシステムの開発、展示会の企画デザインや各種展開ツールの開発など、複合的にブランディングをサポートしております。
NS TOOLが製造している「エンドミル」は、日本のモノづくりには欠かせないもので、社会的な役割が非常に大きい製品です。しかし、プロジェクト開始時は「そもそも超硬小径エンドミルとは何なのか?」「日進工具はなぜ超硬小径エンドミルの製造に特化し、他には真似できない精度を実現しているのか?」などが明文化されていない状態のため、社会的な役割の重要性が社会に対して発信・認知できておらず、私たちがつくるエンドミルがどのように日本のモノづくりを支えているのか、そして日々の仕事がどのように社会とつながっているのかを、社内外へといかに訴求していくかが大きな課題でした。
私たちがつくる製品の先に、ユーザー様のつくる製品がある。そして、そのユーザー様の製品を通して社会に役に立っているという、日本のモノづくりを支えている誇りを“「つくる」の先をつくる。”というステートメントで表現。
このステートメントには、自らが打ち立てた技術水準に絶えず挑戦し、時代を先取る革新的なソリューションを創造していくという意味も込められており、ステートメントをブランド表現の根幹として、あらゆる表現を徹底的に統一化し、工具メーカーとしての温かな人間味と洗練性のある独自の世界観を築き上げております。
NS TOOLのブランディングは業界内でこれまでにない方向性であり、同業他社からの大きな注目を集めることができ、上場という社会的認知度が上がるタイミングでブランディングを実施したことも相まって、二部上場と同年2017年の9月、日進工具は東証一部上場を果たし、2018年にはプロジェクト開始時の3倍以上にまで株価を伸ばしています。
また、働く社員の皆さまが改めて「日本の製造業に貢献している」と実感する機会となり、エンゲージメントを高めることにも成功しております。
“「つくる」の先をつくる。”の鉤括弧内にさまざまなワードを入れることにより、具体的にどんなことに役に立っているのかを表現することが可能となるステートメントの展開表現を採用することで、NS TOOLの幅広い役割を的確に示すことが可能となります。
英訳表現では、「つくる」を表現する単語は「make」や「create」よりも、手による”モノづくり”の温かさを感じる「craft」を採用し、文頭に「For」を入れることで、「支えている」というニュアンスを付加。未来を示す言葉は「future」ではなく、リアル感のある明日を表現するため、「tomorrow」を選定しております。
NS TOOLの仙台工場は、日進工具の企画開発や製造をおこなう重要な場所であると同時に、営業としてのプレゼンテーションの場でもあります。工場内は企業秘密の多い中、どのように魅力を伝えていくのかをクライアントとともに協議を重ねました。
まずは情報の棚卸としてバラバラであった製造工程の名称や各種強みを明文化し、 棚卸しした内容をもとに工場見学パネルや映像、プレゼンテーションパワーポイントを開発。工場見学の体験プロセスを見直し、各種サインや壁面パネルを制作し、NS TOOLの魅力を存分に伝える場として仕上げました。
展示会は、空間としてブランド表現ができる貴重な機会のため、展示会の商談スペースと製品紹介スペースをブランドの世界が伝わる空間として表現。業界では珍しい白を基調にしたデザインで、コンセプトムービーや総合カタログなどの各種ツール類とともにブランドのお披露目を実施し、訪れたユーザー様に驚きを与えました。
NS TOOLのさまざまなブランド活動が包括して見えるブランドサイトを、二部上場のタイミングに向けて開発。コーポレートサイトは主に商品情報や会社情報を伝える目的であるのに対し、ブランドサイトはNS TOOLを知らない一般の方や株主、新卒者などが見てもNS TOOLがわかる内容を掲載し、「エンドミル」の重要性や役割などを伝えるため「50のこだわり」という連載コンテンツもスタート。キャッチーなイラストと共にポイントにフォーカスした記事で、誰にでもわかりやすく伝わるよう工夫しております。
“「つくる」の先をつくる。”のステートメントを元に、日進工具のコンセプトを表現したブランドムービー。日進工具の目指す姿やモノづくりの様子は、文章で書くよりも映像でのコミュニケーションの方がずっと早く魅力的に伝わると考え制作し、WEBサイト・展示会・CM等に展開しました。
工具メーカーは一般的に工具の機能や精度を訴える映像でのコミュニケーションが多い中、NS TOOLは人間味の感じられる表現に挑戦し、業界の中でも差別化に成功。NS TOOL独自のブランドの世界観を築き上げております。
同時に、日進工具の強みが端的にわかるアニメーションも制作。はじめて見る方にもエンドミルの役割やNS TOOLの想いがわかるように構成しております。
プロジェクト開始時、日進工具は英語会社名「NS TOOL」の「NS」部分をブランドシンボルとして使用し、会社名をブランドシンボルの後ろにつける形で使用していましたが、今後「NS TOOL」に統一したブランドコミュニケーションをとることをご提案し、海外でのコミュニケーションも同一の表現で展開するように定めました。
プロジェクト開始時は、ブランドカラーであるオレンジが展開アイテムごとに色味の表現が乱れていましたが、製品のパッケージに使用されている鮮やかなオレンジを元に規定し直し、デザイン表現を徹底。既存のブランドイメージを踏襲しながらも、精密性と温かさが調和する印象をつくりだしております。
NS TOOLを象徴するオレンジの「リンケージライン」は“「つくる」の先をつくる。”のステートメントから生まれた、1:10で構成されるデザインエレメント。
想いをひとつに、お客様とより良い共創関係を築いていく。Made in Japanの担い手たちの情熱や想いを、次々にカタチにしていく。受け継がれてきたモノづくりの伝統と精神を、次代に手渡していく。人と人、心と心、今日と未来をつなぐ、「架け橋」でありたい。
リンケージラインには、日進工具のそんな想いが込められています。
萩原 房史(株式会社エフインク)
ブランディングプロデューサー
石井 敦(株式会社エフインク)
ブランディングディレクター
萩原 拓人(株式会社エフインク)
ブランディングプランナー
プロジェクトディレクター
高倉 新(silence graphic design)
デザイナー
コピーライター
コピーライター
コピーライター
Webデザイン
Web制作
ブランドムービー ディレクション
ブランドムービー制作
萩原 拓人(株式会社エフインク)
インフォグラフムービー ディレクション
インフォグラフムービー制作
フォトグラファー
フォトグラファー
イラストレーター
製造プロセスムービーCG制作
展示ブースデザイン
インテリアデザイン