中原工房ジェクト株式会社
ブランディング領域
施策・制作物
ブランディング領域
施策・制作物
川崎市中原区を中心に、総合建築会社として企画・設計・施工、不動産管理・仲介、建物メンテナンス、建物リニューアル、資産コンサルティングなどさまざまな事業を展開しているジェクト株式会社。1920年、宮大工として創業し、今も創業の地、中原地域に根差した事業展開を行なっており、市内の学校や公共施設、そして賃貸マンションと、時代やニーズに合わせた建物を築いてきました。事業活動による街づくりはもちろん、地域の方を巻き込んだイベント、防災、教育普及、環境への取り組みなど様々な活動を実践し地域の方々から長く愛され続けてきました。
2015年、まもなく創業100年を迎えるタイミングに、さらに地域の方々に必要とされる存在になるための施策の立案と、リノベーションを基軸に住む人が自由に内装のDIYを楽しめる新しい形の賃貸事業「DIY賃貸」を企画開発。その際に、DIYをしたくてもどうやって良いかわからないお客様に対して優しく分かりやすくDIYの楽しさを伝え、体験出来る場所が必要となり誕生したのが「中原工房」です。総合建築会社ならではの本格的な機材や工具、材料を使えるのはもちろん、専門知識や経験が豊富なプロのスタッフからの指導により、難しい家具制作や簡単な小物制作などさまざまなDIYを安全かつ高いクオリティーで行うことができる「DIY工房」として多くの方々に愛されています。
エフインクは、「DIY工房」の企画ご提案からコンセプトをはじめ、ネーミングやブランドロゴ、施設ゾーニングなどの企画・設計・デザインなど幅広くサポートしております。
社会の環境やニーズ、競合などの状況も大きく変化していく中、創業100年を目前に新たな価値を提供し、これからも地域に必要とされる企業として成長し続けるために、中原地域の方々とのエンゲージメントの強化や、中原地域の街としての魅力向上と生活者の満足度向上をはじめ、中原区においては近接する武蔵小杉の再開発などにより人口が増加に伴う住居のニーズが高まっている状況でしたが、新築の賃貸マンションを開発する余地が少ないため、既存の賃貸マンションに良質なリノベーションを行い、快適な住居を提供することが期待されていました。
また、リノベーションにとどまらず『住む人のライフスタイルにあった空間を自由に創ることのできる 「DIY賃貸」を新たに提供することで、不動産の賃貸事業に「DIY賃貸」という革新的なサービスを提供し、住む人が自分だけのライフスタイルに合わせた満足度の高い生活を提案したい』この想いをどのような形で実現できるかが課題でした。
最初に行ったのは、代表を含めさまざまな部署から募った社員さまを交えたワークショップ。複数回のワークショップを通じて「地域に愛されているジェクト株式会社らしさとは何か?」そして、「中原区の魅力、現状や課題」などを徹底的に棚卸しました。また、新サービス「DIY賃貸」を提供するに際し様々な協議を行いました。
・新たな賃貸事業の革新的なサービス「DIY賃貸」の魅力をどの様にお客様に知らせるのか?
・実際の不動産店舗にてどの様に説明するのか?そのために必要な情報やツールは?
・そして何よりも、DIYそのものの魅力をどの様に伝えていけば良いのか?
実際に手を動かし体験しなければ、楽しさや、手軽さ、そして自分で創ることの満足感などは知る事が出来ません。そこで目をつけたのが、年に数回のイベント開催時や、使われていない機材や材料置き場として使用していた自社保有の倉庫スペースです。DIYの体験ができる工房を創ることで「DIY賃貸」へ興味を持ってもらい、自分のだけの住まいをイメージしてもらう事が可能となります。
その上で、この場所を常に地域の方々が集まれる場所とすることで、ジェクト株式会社と地域の繋がりをより深め、地域の活性化にもつながると考え、この場所を起点としたプロジェクトをご提案。本格的な機材や材料、専門知識や経験が豊富な社員さまなど、総合建築会社ならではの強みやリソースを生かしたDIY工房「中原工房」が誕生しました。
現在「中原工房」は、「DIY賃貸」のサービスから独立し、DIYを試してみたい初心者の方はもちろん、ものづくりの趣味をお持ちの方、セミプロの方、作家の方など、多くのファンに支持されています。
地域の方が参加するイベントやモノづくりワークショップの開催はもちろん、地元のサッカーチームである川崎フロンターレや、有名アウトドアブランドとコラボレーションしたイベントを開催するなど、広がりと盛り上がりを見せており、2023年には、オープン時 DIYの仕上がりサンプルの展示エリアだった空間に、当初より構想にはあったが実現できなかったカフェスペース「工房カフェ」がオープン。友人と会話を楽しむ地元の方々の憩いの場としてや、コワーキングにも利用していただいております。
誰にでもわかりやすく利用しやすい施設を目指し、施設の中にあるスペースを役割や用途に応じて「STUDIO」「FACTORY-A」「FACTORY-B」の3つに明確に切り分け。その上で、スペースのネーミングやサイン・外観の設計などを開発し、ジェクト株式会社さまが施工。環境への配慮やSDGsなども考慮し、古材や廃材・端材などをふんだんに使用しております。
受付やレジ、ワークショップのメインスペース、休憩スペースとして役割を設定し、多くの方々がまず訪れるスペースである「STUDIO」を中心に内観の設計やインテリアコーディネートなどをサポート。
DIYの作業がしやすい、休憩しやすいなどの体験に配慮した設計をはじめ、お部屋のコーディネートや、DIYで制作する家具などに悩まれている方のインスピレーションが刺激されるよう「北欧・アメリカン・ナチュラル」など複数のコーディネートの実例が見られるブース※を用意。これらのブースとともに、さまざまな素材や材料の見本なども取り揃えることで、「DIY賃貸」をはじめ、リフォームなどのお客さまへのプレゼンテーションや商談ができるスペースとしても機能させております。
※現在、ブースは「工房カフェ」としてリニューアルし、地域の方の憩いの場やコワーキングスペースとして活用されております。
DIYで制作した家具などへの焼印としての表示や、施設サインへの展開性を考慮し、シンプルで再現性が高くインダストリアル感が伝わりやすいブランドロゴとしております。
中野 博文(株式会社エフインク)
ブランディングディレクター
萩原 房史(株式会社エフインク)
ブランディングプロデューサー
萩原 拓人(株式会社エフインク)
ブランディングプランナー
横田 直人(フリーランス)
ディレクション・インテリアコーディネート
建築・設計