CASE STUDY

概要

世界に誇る最高品質の一級帆布。

1888年から受け継がれてきた、世界に誇る最高品質の一級帆布「倉敷帆布」。岡山県倉敷市に本社と自社工場を持ち、優れた技術で制作されたトートバッグを中心に、ファッション小物、キッチン雑貨、文具など幅広く展開するファクトリーブランドとして倉敷市内の本店や、美観地区内に古民家を再生させオープンした店舗にて商品を販売しており、倉敷の観光名所としても地域に貢献されています。

エフインクは約8年にわたり、「倉敷帆布」のリブランディングに参画。ブランドの定義の見直しをはじめ、ブランドシンボルやWEB・ECサイトの開発、新たなプロダクトブランドの立ち上げなど、幅広くサポートいたしました。

https://www.kurashikihampu.co.jp/

課題

伝統を紡ぎ、未来へと継承する。

明治以降、トラックの幌やテントなど産業用素材として数多く使われてきた帆布。当初より綿花の栽培が盛んだった倉敷では織物文化が育まれ、中でも「倉敷帆布」は、原糸から一貫生産にこだわり、厳格な旧JIS規格に適合した世界に誇る最高品質の一級帆布を織り続けてきました。

しかし、化学繊維の技術が確立され、従来用途の殆どがナイロンなどの代替品に変わった現代において、どのように「倉敷帆布」を革新し、次世代へと継承していくか。魅力の最大化と、未来に向けての施策立案が課題でした。

提案

地域ブランドとして再定義。今を想い、革新を織り続ける。

リブランディング開始時、「倉敷帆布」は店舗で販売するトートバックなどの商品ブランドとしての位置付けであったため、歴史的な背景や技術、品質の良さが十分に伝えきれていませんでした。そのため、まずはじめに定義を拡大し、「倉敷に受け継がれる文化や技術、織物文化から生まれる地域ブランド」として再定義することをご提案。

地域を象徴するブランドとしてさまざまな施策を実行していくことで、世界に誇る最高品質の一級帆布にふさわしいブランドとして確立していくことを目指すとともに、帆布の可能性をより多くのお客さまや社会に届けるため、外部パートナーとの積極的なコラボレーションを推進。

新たに立ち上げたブランドWEBサイト・ECサイトにてこれらの情報を訴求するとともに、帆布の特性や技術力を知っていただくための見本としても機能する新たなプロダクトブランドを開発しました。

成果

可能性を切り拓き、倉敷から世界へ。

新たに開発したプロダクトブランドは、いまや「倉敷帆布」を象徴するスタンダードラインとして多くの方に愛されており、さまざまな施策を推進した結果、様々なクリエイターや企業とのコラボレーションが実現。新たな帆布の可能性を切り拓きました。

現在では、トートバック以外の商品やブランドも数多く増え、フランスの「メゾン・エ・オブジェ」や、イタリアの「ミラノサローネ」などの展示会にも出展するなど、世界へ発信し続けています。

施策・制作物

プロダクトブランド:セルヴィッジシリーズ

帆布の特性や技術力を知っていただくため、帆布を織る際に生地の両端に現れ、倉敷帆布の持つ職人の技術と織り機でしか再現することができないセルヴィッジ(生地の耳)の美しさを最大に活かしたプロダクトの開発をご提案。

帆布の織り幅をそのまま使い、1枚の帆布をくるっと包み合わせ、そのままプロダクトの形状とした黄金比で構成された装飾のない形状のプロダクトは、「フラップトート」「クラッチ」「ロールトップリュック」「2wayトート」などのラインで展開され、今までにないターゲット層へのアプローチにも成功。倉敷帆布の象徴かつ新たなスタンダードとして、幅広いお客さまに愛されております。

 

企画からデザイン、撮影、パンフレットなど販促アイテムの開発など関連する全てをサポートさせていただきました。

プロダクトブランド:IROKA/LUXUシリーズ

帆布の特性や技術力、可能性を知っていただくため、倉敷帆布の技術力を最大限に活かした上で、革などの異素材と組み合わせて可能性を表現するプロダクトブランドの開発をご提案。最高級の数量限定品として倉敷帆布の魅力を訴求しております。

コーポレートブランドシンボル

「倉敷帆布」のロゴをプロダクトに留まらず、コーポレートブランドシンボルとして再定義。コーポレートとプロダクトの一体感を強めることで、地域ブランドとしての推進力を向上させております。また、プロダクトにつける品質保証タグとしても機能するデザインとすることで、日本が世界に誇る最高品質の一級帆布であることの証としても位置付けました。

デザイン要素である家紋は、創業者である武鑓石五郎と、その妻、梅の[石]と[梅]をモチーフに、明治21年(1888年)、日本の人々が外国に負けない国を創ろうと動き始めたまさにそういう時期に、二人は「丈夫な帆布をつくることによって世の中の役に立ちたい」という強い思いを込めて帆布を織り始た創業当時から今も変わらない私たちのものづくりへの想いを受け継ぐ証です。

新たな価値創造を表明するシンボル

アパレル分野はもちろん、ファニチャー、雑貨、建築など、テキスタイルという枠を超えて、新しい価値の創造にともに挑むパートナーとの出会いなどによる新たな価値創造を行なっていくことを表明するシンボルを開発。このシンボルを起点にさまざまな施策を実行するとともに、今まで複雑でわかりづらかった生地の種類を連動したデザインでわかりやすく視覚化し、より簡潔に伝わりやすいデザインとしております。

コーポレートWEBサイト・ECサイト

地域ブランドとしてのコーポレートWEBサイトと、オンラインでの販売を目的としたECサイトを開発。コーポレートWEBサイトでは、帆布の魅力訴求に重きを置き、歴史や製造方法、パートナーへのご提案などのコンテンツを充実させ、ECサイトは柔軟なコミュニケーションが図れるわかりやすいデザインとしております。

コーポレートWEBサイト https://www.kurashikihampu.co.jp/

倉敷帆布オンラインストア https://store.kurashikihampu.co.jp/password

 

ブランドイメージビジュアル・ムービー

地域ブランドとしての背景を正しく訴求するためのイメージビジュアルとムービーを撮影。WEBサイトをはじめブランドの訴求ツールとして活用されております。

チーム

  • 石井 敦(株式会社エフインク)

    ブランディングディレクター

  • 萩原 房史(株式会社エフインク)

    ブランディングプロデューサー

  • 中野 博文(株式会社エフインク)

    ブランディングディレクター

  • 牛島 美樹

    プランナー

  • 二瓶 渉(SHIROKURO.inc.)

    アートディレクター

  • 板山 拓生(WAQON Inc.)

    フォトグラファー

  • 安達 真(Milk Graphics & Co.)

    Web制作

  • 辻村 麻実(フリーランス)

    バッグデザイナー