「株式会社MC」は、埼玉県三郷市で、国内でも数少ない神経難病（主にALS：筋萎縮性側索硬化症）専門の入居施設を運営している企業です。医師・看護師・介護⼠・理学療法⼠・作業療法⼠・ケアマネージャー・薬剤師など、さまざまな領域のプロフェッショナルがチームを組み、24時間365日体制で利⽤者さまやそのご家族を⽀えています。

やりたいことを諦めずに続けてもらいたい。「ここへ来てよかった」と思ってほしい。病院のような安心安全な環境を担保しながらも、できる限り自宅に近い居心地の良さを提供するために、職員の皆さまは日々知恵を出し合って、利用者さまの生活に向き合っています。

また、利⽤者さまが病気と共に歩みながらも⾃分らしく⽣きるためには、それを支える職員自身も幸せに生き、前向きに成⻑しつづけられる環境が最も大切であると考え、働きやすい職場づくりや人材育成に注力していることも特徴です。

エフインクは、2024年の創立10周年に向けて、ブランドコンセプトの開発をはじめ、ブランドロゴ、基本アプリケーションツール、WEBサイト、会社案内など、総合的なリブランディングをサポートいたしました。

創業以来「職員が幸せに働けない会社が、人を幸せにできるはずがない。」という思いで、サービスを提供する職員を大切にすることを重要視してきたMC。看護・介護の現場のイメージを変えるために、職員の待遇改善や、仕事とプライベートを両立できる仕組みづくり、研修制度の拡充、DX化など、業界を先駆けて様々な挑戦に取り組み続けてきました。その成果から、職員の会社へのエンゲージメントや働く意欲度は高水準を維持しています。しかし、MCの代表である嶋様には、『真に現場のイメージを変えるには、“職員が幸せに働ける会社”であるだけでなく、利用者さまや職員一人ひとりの“思いを実現できる会社”へと進化しなくてはならない』という、次のステージを目指す強い決意がありました。

また、神経難病は症状や進行度に大きな個人差があるため、MCで働く職員には、一般的な入居施設に比べてより⾼度で繊細なケアが求められます。ニッチな分野に特化しているからこそ、MCには社内外から神経難病に関するさまざまな情報が集まりやすく、豊富なデータや事例の蓄積があります。MCはこの特長を活かして、それぞれの利用者さまに合った機器や介護用品のカスタマイズや、メーカーの新製品開発への協力といった専門性の高い取り組みにも、協力し合いながら積極的に挑戦しています。

看護や介護の業界に必須となる「優しさ」「誠実さ」のイメージは土台にありつつも、こうしたMCならではの「プロフェッショナル性」「先進性」「チャレンジングな姿勢」「遊び心や好奇心」を積極的に伝えていくことが、リブランディングに取り組む上では欠かせないと考えました。

プロジェクトの開始にあたっては、現地での社長へのトップインタビューや各部署のメンバーへのインタビューを行い、これまでの経緯や今後の展望、どんなブランドを目指したいかなどを意見交換し、思いをまとめながらブランドの方向性を定めていきました。

お打ち合わせの中で「社名であるMCについて、対外的に説明できる明確な由来が存在しない」というお話を伺い、「MC」の意味性をあらためて定義することをご提案。一人ひとりの“思いの実現”という経営理念を目指し、「入居者さまも職員も、MCにかかわる全ての方が、お互いの個性（Color）を発見しあい、いきいきと関わり合う場所でありたい」という思いを込めて「Meet your Color.」というブランドコンセプトを設定。その頭文字をとった「MC」が社名である、という再定義を行いました。