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大規模商業施設やリゾートホテルをはじめ、企業やカフェなど幅広いジャンルの案件に対し多岐にわたりブランディングを推進。『脳みそから血が出るくらい考えているか』を常に自分に問いただしながら、クライアントさえ気づけていないブランドの進むべき道や可能性、デザイン表現をご提案できるよう日々挑戦中。
1. 「企業ブランディング」を詳しく解説
私たちブランディングカンパニー「エフインク(F-INC.)」では、日々ブランディングに関するさまざまなご相談やお問い合わせを頂戴しておりますが、「ブランディングを推進したいけどどのように進めるのかわからない」「企業理念やパーパスってどうやって開発するの?」などといった疑問の声をよく耳にしています。そこで今回は、プロジェクトスタートから企業理念やパーパスの開発、ブランドロゴやWEBサイトなどアウトプットの開発まで、「リブランディング」を総合的にサポートした「インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社(IBF)さま」の「リブランディング事例」を、前後半の全2回にわたって詳しく解説します。
解決する課題や、向かうべき未来像などの違いにより、ブランドごとにプロセスや開発内容が同じことは一つもありませんが、少しでも多くの方にブランディングに関する具体的かつポジティブなイメージを持って頂ければ幸いです。
Part1の記事はコチラから↓
記事に関連する「ブランディング事例」のご紹介
エフインクWEBサイトにて、「ブランディング事例」を多数ご紹介しております。記事と合わせてぜひご覧下さい。
2. 全社員参加の「ワークショップ」による「リブランディング」
ワークショップを通じてIBFの強みやパーソナリティ、ステークホルダー、あるべき姿や未来像など、潜在的な「ブランド価値」とは何かを探り、可視化した上で共通認識とすることで、リブランディング後のIBFらしい価値創造として体現していただくことや、可視化したブランドの価値を新たな「企業理念・パーパス」の骨格にすることを目的としています。社長、役員の方々をはじめ、部署や役職の垣根なしに全社員さまにご参加いただいた全15名を3チームに分けて、1回3〜4時間のワークショップ全5回を実施いたしました。
第1回目:リブランディングプロジェクトの目的や意義を社内に共有
創業からの歴史や培ってきたマインドや文化などを70ページに及ぶkeynoteで振り返りながら、「プロジェクトステートメント」と共に、リブランディングプロジェクトの目的や意義を社内に共有するとともに、今後のワークショップの流れなどをご説明。
第2回目:個々のマインドと自社の強みを可視化する
本格的な活動開始となる第2回目は、コミュニケーションを円滑化し、活発な意見が飛び交う場を構築するための自己紹介をはじめ、会社における自分自身の役割や重要性などを再認識いただくなど、このプロジェクトにおける一人ひとりのマインドセットを行う個人ワークの後、自社の強みが社会にどのような影響を与えるかをそれぞれのチームで1枚のシートにまとめるグループワークを実施することで、個々のマインドと自社の強みを可視化。
第3回目:チームごとに会社の向かうべき方向を考える
一人ひとりが会社の代表になったつもりで、第2回目でまとめた「自社の強みが社会にどのような影響を与えるか」を踏まえて、今後の会社のビジョンと、ビジョンを達成するために行うべきことをまとめていただく個人ワークの後、各チームでそれらを持ち寄り、1枚のシートにまとめることで、チームごとに会社の向かうべき方向を考えるグループワークを実施。
第4回目:チームごとの会社の向かうべき方向のシェアと統合
第3回目でまとめた「会社の向かうべき方向」をまとめたシートを元に、そこから重要なキーワードや要素を抽出いただくグループワークの後、3チームそれぞれの内容をシェアした上で、参加者全員で1枚のシートに統合。これにより「企業理念・パーパス」の骨格となるブランドの潜在的かつ重要な価値が可視化されました。
第5回目:アクションを決める/ブランドパーソナリティの可視化
第4回目で統合された「会社の向かうべき方向」を日々の業務にて実行いただくため、「直近1年間のロードマップ作成からアクションを決める」グループワークを行った後、ブランドの性格や個性を表す「パーソナリティ」を可視化するグループワークを実施。これにより後々のブランドのデザイン表現や言葉遣いなどにおいて、よりブランドらしい様々な表現が可能になります。
全5回のワークショップを実施し、当初の目的を達成することもできました。ワークショップを実施する際は、我々のようなサポートする立場からの参加者への適切な問いかけや、思考を広げ、知恵を引き出し、意欲を高めていくためのファシリテーションスキルが非常に重要となります。また、グループワークなどのプログラムも、その時の進捗や理解度などに応じて微調整や差し替えなど臨機応変な対応が求められます。
3. 企業の新たな「企業理念・パーパス」の構築
「企業理念・パーパス」の骨格となるブランドの潜在的かつ重要な価値を可視化することができたので、次のフェーズでは社長を含めた役員3名によるチームと共に、今後数年、数十年を通して企業の指針となる「企業理念・パーパス」を構築していきます。
ワークショップにて「循環」「幸せ(ハッピー)」が共通の想いであることが明確になったため、このワードを元に複数の案を出し、最終的にブランドパーパス「幸せが循環する世界を切り拓く」をはじめとする提供価値(バリュー)などの企業理念体系を開発しました。提供価値(バリュー)として定義した「価値が幸循環する社会」では、「IBF・クライアント・消費者」という3者の関係性やそれぞれへの提供価値を明文化。「3者間において幸せが循環し続ける社会を実現する」という強い意志を表現しています。
「企業理念・パーパス」構築は、多くの場合、言葉を熟知しているコピーライターとともに、ブランドの性格や個性を表す「パーソナリティ」に相応しい言葉遣いなどを意識しながら一文字にまでこだわりながら組み立てていきます。さらには、ブランド戦略や理想のブランド像について改めて掘り下げるのはもちろん、世の中の潮流やブランドのターゲットニーズ等も考慮し、ステークホルダーにとって手触り感があり、自分ごと化しやすいメッセージとすることが重要です。われわれが構築の際に特に重要視しているポイントを下記にまとめます。
01. 自社ならではのメッセージになっているか
「企業理念・パーパス」は、共感の輪を作り出すことが目的のメッセージ。それぞれのステークホルダーが自分ごと化できるレベルの具体的な解像度に設定されていることが大切です。抽象度が高すぎる(きれい事すぎる)と、どの会社でも当てはまるような平易な内容に聞こえたり、実際の行動や取り組みを考える際に遠すぎて落とし込みにくいなど、浸透しづらいものになってしまいます。
02. ブランドの現状にフィットした未来視点で考えられているか
「企業理念・パーパス」とは基本的に、企業の持続可能性を視野に未来志向で作られるべきものです。しかし、企業規模や現在置かれている状況によっては、あまりに遠い未来の夢物語を語るよりも、「いま自分たちはなぜこの事業に取り組んでいるのか」を改めて可視化することのほうが重要な場合もあります。どのくらいの距離感の未来視点で自社のPURPOSEを設定するのかを見極め、各ステークホルダーをしらけさせない、それぞれの感覚にリンクした表現を検討する必要があります。
03. ワクワクを生む表現になっているか
「自分の仕事が社会に役立つかどうか」が若者世代の仕事選びの基準となりつつある今、「企業理念・パーパス」は、ステークホルダーの中でも特に社員の心をゆさぶりモチベートするものである必要があります。どのような時にも現場の社員にとっての道標となり、一人ひとりが「なぜこの企業で働きたいと思ったのか」「この仕事を通して何を叶えたいのか」をいつでも確認できるような、高揚感を促す、パッションのあるメッセージであることが理想です。
4. 企業理念とデザインが密接に交わる「ブランドロゴ」
社会に発信した時に認知されやすく、顧客の共感を得るブランドとなるために、これまで議論してきた「企業理念・パーパス」を基軸にブランドを言語化・視覚化した「ブランドロゴ」をはじめとするビジュアルアイデンティティを開発していきます。
さまざまな案の中から最終決定となった「ブランドロゴ」は、提供価値(バリュー)として定義した「価値が幸循環する社会」で明文化した「IBF・クライアント・消費者」という3者の関係性やそれぞれへの提供価値を元に、「3者間において幸せが循環し続ける社会を実現する」という強い意志をブランドシンボルとして表現することで、企業理念とデザインが密接に交わる姿を表現したものとなっており、同時に決定した「ブランドカラー」にもIBF相応しい意味や想いを込めております。
コーポレートブランドロゴに込めた想い
コーポレートブランドロゴのシンボルとして掲げた3つの円は、私たちの提供価値にある「IBF&Partners」「Client」「Consumer」の3者を意味します。「伴走者」として3者を繋げ、フロンティア精神を胸に世界を切り拓き、社会に価値の幸循環を生み出す意思を込めた、新たなIBFの象徴です。
ブランドカラーに込めた想い
私たちの毎日は仕事や生活など様々な場面でデジタル化が進み、その便利さや効率性を享受する一方、「伴走者」として社会に認められる存在になるためには、共感する気持ちや人ならではの感受性、人間らしい心の交流がより一層求められます。そして、お客さまと共に新たな未来を共創するためには、血の通った行動、血の通ったモノづくりが大切だと考えます。IBFブランドを象徴する色として選定した“IBF RED”は、人間の豊かな感情や循環する命の色であり、未来を開拓する人々の創造力や行動力を表現した色です。コーポレートブランドロゴやECF、DATAD、POCHILLの各サービスブランドロゴ全てに、“IBF RED”を採用しています。
5. 新たなIBFを社内外へ発信。新規お問い合わせが数倍に!
ブランディングは、社会に適切に発信され、届いた後にはじめてブランドとして認知されるため、「企業理念・パーパス」や「ブランドロゴ」をつくって終わりではなく、むしろスタート。社内外に新たな「企業理念・パーパス」や「ブランドロゴ」を共有するためのブランドブックやクレドカードをはじめ、名刺・封筒などのツール、WEBサイトなど社会とのタッチポイントとなるあらゆるポイントをブランドらしい姿にしていく必要があります。
リブランディング前のWEBサイトとの新規お問い合わせ件数と比較すると、リブランディング直後から件数が数倍に増加。なおかつ、ブランディングの過程で設定したターゲットゾーンからのお問い合わせ比率が非常に高いという、まさにリブランディングでクリアすべき課題に対して成果が出るという嬉しい結果を獲得することができております。
リブランディング後の現在も、IBFさまとエフインクにてサービスのリニューアルや新規サービス開発などさまざまなプロジェクトが進行中。今後のIBFさまの進化にも引き続きご期待ください。
Part1の記事はコチラから↓
記事に関連する「ブランディング事例」のご紹介
エフインクWEBサイトにて、ブランディング事例を多数ご紹介しております。記事と合わせてぜひご覧下さい。