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2024年01月11日

ブランドの「強み」を発見し、ブランディングに生かす方法とは?

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記事を書いた人

ブランディングプランナー

大学卒業後、不動産会社勤務を経て2018年エフインク入社。プロジェクトでは主に企画設計・コンセプト開発・コピーライティング・進行管理などを担当。ブランドの想いをお客さまとともに紐解き、可視化し、社会へと届けることがなによりの喜び。

1. ブランドの「強み」とは?

ブランディングを進める上のコアとなるのが、ブランドの「強み」。すなわち、他社にはない自分のブランドならではの魅力や持ち味です。

 

どうすればこの「強み」を発見できるのか、今回はその方法について解説します。

(2019.12.2公開 2023.1.23更新)

記事に関連する事例のご紹介

上記リンク先にて、事例の課題や提案内容・成果をはじめ、実際のデザインなどブランディングの詳細をご紹介しております。記事と合わせてぜひご覧下さい。

2. ブランディングの目線で「強み」を発見しよう

そもそも、なぜブランディングを進めるために「強み」を明らかにする必要があるのでしょうか。第一の目的は、お客様視点に立ったときの競合ブランドとの違いをはっきりさせ、差別化を図ることです。また、ブランドを運営する社員やスタッフにとっても、自らのブランドの魅力が明らかになれば、より一層ブランドへの誇りを持てるようになるかもしれません。ブランドの「強み」の発見は、ブランディングのスタート地点となるのです。

マーケティングでも「SWOT分析」などでブランドの特徴を洗い出すことがあるかと思います。マーケティングとブランディングは、ブランドの価値を向上させるという同じ目的を持ちますが、ブランディングを進める目的でブランドの「強み」を見つけようとする際には、「マーケティングとブランディングの違い」を意識することが重要です。

 

マーケティングで行う分析は、「よく売れる仕組みを作る」という視点で行います。「お客様のニーズに合った商品を作り、適切なターゲットに商品の性能を効果的にアピールし、売り上げを伸ばす」という一連のプロセスを、いかに戦略的に実施するかが目的だからです。

 

一方、ブランディングで行う「強み」の発見は、商品の性能や機能だけでなく、「企業の志」「ブランドが目指すイメージ像」「これまで培ってきた歴史」など、ブランドが持つ情緒的な価値にも強くフォーカスしていく取り組みです。これは、ブランドの根幹であり、売れる仕組みを考える以前に整理すべきことだと私たちは考えています。

 

ブランドの根幹となる「強み」を探し出すより先に、マーケティング目線で「売れるかどうか」を判断基準としてブランドを評価してしまうと、市場や競合の動き・顧客の意見など、外部の要素を気にしすぎてしまい、自社ブランドにしかない魅力や持ち味を活かしきれないことがあります。

 

ブランディング目線で「強み」を発見するためには、マーケティングの思考に偏らないよう注意しながら、ブランドの本質的な価値を見極める必要があるのです。

3. ブランドの「強み」を発見するための4つの方法

ブランディングの目線で「強み」を発見するための方法を4つご紹介します。それぞれ、違った視点でのブランドの「強み」が見えてくるはずです。

方法01:社員同士で出し合ってみる

最も手軽にできるのが、社内でブランドの「強み」を出し合う方法です。

 

例えば、社長や役員・創業メンバーなど、ブランドづくりに携わってきた人物に協力してもらい、ブランドに対する思いや歴史にまつわるインタビューをすると、ダイレクトにブランドの「強み」につながってくる有意義な話が聞けるかもしれません。

 

もっと広く意見を募りたければ、ワークショップを開催するのも有効な手段です。ワークショップを実施する際には、意見の偏りを防ぐため、年齢・性別・役職・部署などの異なる、できるだけ幅広いメンバーを募集しましょう。一方、多様なメンバーが集まると、ワークショップの目的が逸れて、職場に対する意見や要望の発散の場になってしまうことも。ブランディングの目的を理解して、前向きに取り組める方をメンバーとしてアサインするのがおすすめです。

方法02:コアなお客様にインタビューしてみる

ブランドの商品を長年愛用しているユーザーや、サービスを有効活用しているお取引先など、すでにコアなお客様がいて気軽に会える環境なのであれば、改めて「なぜ他社ではなく自社ブランドを愛してくれているのか」「自社ブランドにまつわるストーリー」を聞いてみるのも非常に有効な手段です。

 

お客様視点のブランドイメージや、社員には気づくことのできない強みが聞けるかもしれません。

方法03:ソーシャルメディアを活用してみる

BtoCのブランドである場合、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアを活用し、口コミから分析するのも一つの方法です。

 

良い意見も悪い意見も含めてリアルな声を確認することができるので、客観的にブランド像を捉えられます。ただしこの時、お客様のニーズや意見をすべて鵜呑みにすることはありません。あくまでブランディングの目線で、「これは他のブランドにはない魅力や持ち味だ」と判断できる意見のみを抽出しましょう。

方法04:第三者(ブランディングのプロ)に相談してみる

「自社内ではなかなか強みが出せない」「いくつか答えが出たが、本当に合っているのか自信がない」など、議論が行き詰まってしまった場合は、第三者(ブランディングのプロ)に依頼し、意見を聞いてみましょう。

 

様々な業界・業種の実績があるブランディングのプロは、客観的な目線でクライアントを捉え、表現することに長けています。例えば、自社では取るに足らない当たり前だと思っていたことでも、角度を変えれば、実は世間の評価に値する場合もあるのです。

 

プロだからこそ気づく意見や、第三者だからこそ言える意見を、きっと得ることができるでしょう。

4. 様々な手法を有効活用してブランドの「強み」を発見しよう

自分たちのブランドのことは、改めて振り返ってみてもなかなか気づきにくいものです。様々な手法を有効活用して、多角的な目線でブランドの強みを発見し、今後のブランディングに生かしていきましょう。

事例紹介:明和地所(CLIO)

上記リンク先にて、事例の課題や提案内容・成果をはじめ、実際のデザインなどブランディングの詳細をご紹介しております。記事と合わせてぜひご覧下さい。

ブランドの強みの発見の事例として、ワークショップを活用した明和地所株式会社のプロジェクトをご紹介します。

 

首都圏を中心に「CLIO(クリオ)」ブランドのマンションを販売している明和地所株式会社。1986年の創業以降供給したマンションは4万戸を数え、不動産仲介・管理・リノベーションまでをワンストップで提供しています。

 

2015年、創業30周年を機にブランドの再整理を実施する目的でプロジェクトを開始。企業風土のシフトチェンジを図りたいという経営層の思いから、ボトムアップ型で社員の声を汲み取ってブランドを見直していくワークショップ形式でブランドコンセプトの開発と企業理念の開発を実施しました。参加メンバーは希望者を面接にて選定し、様々な部署や年齢・経験などを持つ参加者が、上下関係なく意見を出し合える環境を構築。

 

ワークショップを通してメンバーから出てきた数多くのキーワード(ブランドの強み)をもとに、明和地所が今まで培ってきたブランド価値をエフインクが再整理し、社員一人ひとりが自分ごととして納得できる言葉に変換。新たなブランドコンセプトと企業理念を生み出しました。

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